シラリカブランド構築支援

いくらを起点に、北海道白糠町の地域ブランドをゼロから構築

Date
Client

北海道白糠町

Agency

株式会社immue

Role

ブランドプロジェクトマネジメント / フィールドリサーチ / ブランド開発 / VI策定 / ネーミング開発 / コピー開発 / パッケージデザイン / EC販売支援 / SNS運用 / ポップアップイベント開催 / メニュー開発 / 流通開拓

シラリカブランド構築支援

Outlines

ふるさと納税で全国有数の人気を誇る北海道白糠町のいくらを起点に、地域ブランド「シラリカ」の立ち上げと育成を支援しています。ブランドのコアバリューとストーリーの整理から、ネーミング、VI、パッケージ、Webサイト、ブランドムービー、SNS、ポップアップイベント、飲食店との連携までを担い、2023年の立ち上げから3年以上、町・事業者・パートナー企業と伴走を続けています。

課題

白糠町のいくらは、ふるさと納税の返礼品として大手ポータルサイトで高いシェアを持つ人気商品でした。一方で、寄附の伸びの鈍化や、寄附者との接点を関係づくりに活かせていないといった課題が見え始めていました。

返礼品の人気は、制度や価格競争の変化に左右されます。ふるさと納税本来の目的である「関係人口の創出」に立ち返り、制度に依存しない持続的な価値をつくることが求められていました。プロジェクトが掲げたのは、「制度がなくなっても強い商品に」「商品だけでなく町にも結びつけたい」「広告に頼るだけではない商品づくりを」という3つの想いです。

アプローチ

町・地元事業者・ブランドエージェンシーによる官民連携の「シラリカブランドプロジェクト実行委員会」を立ち上げ、その一員としてブランド構築を推進しました。まず取り組んだのは、白糠町の歴史や暮らし、いくらの生産現場を知ることです。アイヌの人々が鮭を神からの授かりものとして大切にしてきた文化、太平洋に面した豊かな漁場、獲れたその日に加工し鮮度を保つ地元事業者の技術。嘘のない事実をもとに、ブランドストーリーを組み立てました。

ブランド名には、アイヌ語で「岩磯のほとり」を意味する「シラリカ」を採用しています。海とともにある白糠町の自然と文化を象徴しながら、短く覚えやすい響きを持つ名前です。「自然そのものを、一粒に。」というメッセージのもと、ロゴやデザインレギュレーション、化粧箱やフィルムのパッケージ、リーフレットを刷新。商品ごとにパッケージを切り替えられる時期が異なる制約を踏まえ、生いくらから順にローンチし、ラインナップが広がっていく見せ方を設計しました。

2023年8月、実行委員会の発足と、厳しい鮮度保持基準を満たした「シラリカいくら」の発売を発表しました。ブランドサイトや公式Instagramを開設し、寄附手続きの場であるECサイトとは役割を分けて、「ブランドを好きになってもらう」ための情報発信を行っています。プレスリリースは200件を超えるWebメディアに掲載されました。

食品のブランドにとって、最も心に残るのは実際に食べる体験です。東京・下北沢でポップアップレストラン「シラリカいくら食べ比べ亭」を開催し、味付けをしていない生いくらと、人気料理インフルエンサーが開発した数種類のアレンジを食べ比べられる定食を提供しました。会場はいくらをイメージした装飾と白糠町の映像で彩っています。2023年は全日完売、最終日には90分待ちの行列ができ、2024年は会期を5日間に拡大して実施しました。

イベントでの一度きりの体験で終わらせないため、飲食店との連携にも取り組んでいます。下北沢エリアの飲食店や都内のレストランとのコラボレーションでオリジナルメニューを展開したほか、活動に賛同する飲食店向けの「パートナー店」制度を設計しました。限定価格での卸やステッカー・POPなどのツール提供、公式SNSでの紹介を通じて、シラリカいくらの出会いの場を継続的に増やしています。旬の時期に最初期に加工したいくらを、シリアルナンバー入りの限定パッケージで届ける「超新物いくら」も企画しました。

成果

ブランド立ち上げ後、白糠町のいくらへの寄附件数は前年比63倍、寄附額は前年比112倍になりました。シラリカいくらは町の返礼品の中で最も人気の高い商品となり、2024年、白糠町はふるさと納税の自治体別寄附額で全国1位を獲得しています。

3年目を迎え、プロジェクトは次のフェーズに入っています。ふるさと納税が「税金で買い物をするECサイト」になりつつある中で、そのリーダーである白糠町だからこそ、「消費は選択であり、応援である」というメッセージを発信する。その共感を軸に、生活者や飲食店、生産者が関わり合える活動へと広げています。