織田信長のザクザクAI

AIを本気で「無駄遣い」して、信長がブラックサンダーを食べる音を再現

Date
Client

有楽製菓株式会社

Agency

株式会社博報堂

Role

Webサイト制作 / AIリサーチ / AIシステム開発 / AI活用音声コンテンツの制作

織田信長のザクザクAI

Outlines

有楽製菓「ブラックサンダー」発売30周年キャンペーンにおいて、特設Webサイトの制作と、3月9日「ザクザクの日」の目玉企画「織田信長のザクザク音」のAI開発を支援しました。

課題

ブラックサンダーは発売30周年を迎え、「イナズマ級に楽しい企画を1年間で30個届ける」プロジェクトを展開していました。その一つとして、ブラックサンダーが愛される理由である「ザクザク食感」を、ブランドらしい遊び心を持って伝える企画が求められていました。

出発点は、「誰もが知る偉人・織田信長がブラックサンダーを食べたら、どんなザクザク音が鳴るのか」という問いです。面白さは生成される音そのものではなく、「最新のAI技術を、信長のザクザク音をつくるためだけに本気で使う」ところにあります。

アプローチ

実在しない音を信ぴょう性高く再現するために、約100人分の顔画像と、その人がブラックサンダーを食べたときの咀嚼音をセットで収集しました。「顔の骨格が似ていれば、食べる音も似ているのではないか」という仮説のもと、顔と音の対応関係をAIに学習させるデータセットです。収集したデータは、技術的な観点から種類と品質を確認したうえで開発に用いました。

生成システムは3つのAIで構成しています。1つ目は顔の特徴点を検出するAIで、信長の肖像画と収集した顔画像から、目や鼻、口、輪郭などの特徴点を立体的に取得し、顔の特徴を数値のベクトルに変換します。2つ目は顔の類似度を比較するAIで、信長に似た骨格を持つ人の咀嚼音を特定します。3つ目はザクザク音を編集するAIです。音の高さ、ざらつき、鋭さ、音圧感など、咀嚼音や食感に関する研究を参考に選んだ複数のパラメータを学習し、類似度に応じて重みづけしたパラメータで元の音を調整します。

「どんな音が正解か」は、言葉だけでは共有しにくいものです。開発の途中で、各パラメータを自由に動かして音の変化を試せる簡易アプリを用意しました。広告代理店やクライアントが実際に音を聴き比べながら、最終的な音のクオリティについて早い段階で合意できたことで、短い開発期間でも手戻りなく納品まで進めています。

あわせて、キャンペーン全体の拠点となる30周年特設Webサイトを制作しました。2024年9月の公開以降、新商品やコラボレーション、イベント、キャンペーンなど、次々と展開される企画を順次掲載できる構成とし、一年を通じて更新を伴走しています。「織田信長のザクザク音」も、このサイトを通じて届けられた企画の一つです。

成果

データ収集から約1ヶ月半で音声を納品し、「ザクザクの日」に合わせて、公式XアカウントやSpotifyの音声広告、特設サイトで公開されました。